家にいながらカフェの味が気軽に楽しめるドリップ式のコーヒーメーカー。コーヒーを抽出するすべての工程を自動コントロールで行うため、様々な機能が搭載されていて、選ぶポイントも迷いがち。どんなところをチェックすべきか、今おすすすめの機種は何か、わかりやすく解説します。
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ドリップは英語で滴る、落ちるのdrip。コーヒーの粉にお湯を掛け回すと、ふわ〜っと豆の香りがたちのぼって、コーヒーの滴がポトポトと滴り落ちていきますよね。あの一連の作業が「ドリップ」。喫茶店のマスターように、人が自ら淹れるコーヒーの抽出方法をハンドドリップと言います。
名人やレジェンドと呼ばれる人たちのハンドドリップコーヒーが特別に美味しいのは、熟練の技で豆の状態に合わせて手加減できるから。プロが淹れたハンドドリップのコーヒーの味わいにいかに近づけるか? ということが、コーヒーメーカーを開発する各社共通のミッションなんです。
ハンドドリップと同じように、道具が良くないと、美味しいコーヒーは淹れられないですよね。だから、ドリップ式のコーヒーメーカーの抽出のポイントを理解して、基本的な構造をチェックしましょう。
とはいえ、プロでも一生悩むほど、ドリップコーヒーの淹れ方には正解はありません。コーヒーメーカーも全てを備えた万能なものはありません。でも1つだけ、確実に美味しいコーヒーを淹れられる決め手があります。それは、水です。
コーヒーの99%は水なので、天然水で淹れると格段にレベルアップします。ドリップ式コーヒーメーカーの中には浄水機能付きのものもありますが、今一番人気なのは、天然水で抽出するスラット+カフェ。カフェ機能を内蔵した天然水のウォーターサーバーだから、温水、冷水、緑茶や紅茶など、コーヒ以外にもいろいろ楽しめて、デザインもスマート。高機能で使い勝手がよく、お手入れも簡単なので、長く使えそうと評判です。
ドリップ式コーヒーメーカーは大別すると、コーヒー豆を挽くミル付きのものと、コーヒー粉で淹れるミルなしのものがあります。
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■ミル付き
【メリット】
ハンドドリップのような芳醇な香りと豆本来の旨みを楽しめる。
【デメリット】
構造が複雑な分、サイズが大きく、高額。汚れやすいので、お手入れが面倒。
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■ミルなし
【メリット】
マシン本体が比較的安価で、お手入れが簡単。
【デメリット】
空気に触れる表面積が多いコーヒー粉で淹れるので、香りが飛びやすい。
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ドリップ式コーヒーメーカーのフィルターは、紙フィルターとメシュフィルターの2種類があります。メッシュフィルターは主にナイロン製やステンレスなどの金属製です。
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■紙フィルター
【味の特徴】
コーヒーの油脂分を吸いやすいので、雑味が少ないすっきりとした味わい。
【メリット】
コーヒーの粉を紙ごと捨てられるので、後始末が簡単。
【デメリット】
使い捨てなので、買い足しが必要。
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■メッシュフィルター(ナイロン、ステンレスなど)
【味の特徴】
コーヒーの油脂分を通すので、豆本来のコクのある味わいに。
【メリット】
洗って繰り返し使えるので、ランニングコストがかからない。
【デメリット】
メッシュが粗いとコーヒー粉を通してしまうので雑味が残りがち。洗浄も手間。
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サーバーは、抽出したコーヒーを受ける器。ガラス製とステンレス製があり、分量の分かりやすさと保温力の違いがあります。
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■ガラスサーバー
【メリット】
抽出したコーヒーの量をひと目で確認できる。洗いやすいのも◎
【デメリット】
保温力が弱い。保温プレート付きは、長時間経つと味が劣化しがちです。
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■ステンレスサーバー
【メリット】
保温・保冷力が高い。
【デメリット】
コーヒーの量を目視できない。狭口のものは洗いづらい。
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コーヒーはお湯の温度と抽出時間によって成分の出方が違います。
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■高温92〜96℃
【メリット】
苦味が強い濃厚な味わいに。
【デメリット】
旨みと一緒に雑味やエグみも出てしまう。
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■低温85〜91℃
【メリット】
雑味やエグみの少ない、まろやかであっさりとした味わいに。
【デメリット】
抽出に少々時間がかかる。苦味が少ない分、酸味が強調されがち。
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■抽出速度
【スロー抽出(5分以上)】
豆本来の旨みと苦味が感じられる濃厚な仕上がりに。
【スピード抽出(5分以下)】
豆の果実味と酸味が感じられるあっさりした仕上がりに。
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UCCと共同開発したカフェ機能内蔵のウォーターサーバー。ミルなしですが、コーヒー粉と併用して、挽きたての豆の香りと旨みをカプセルにしたUCCドリップポットも使えます。1杯ずつ抽出するため、サーバー要らずで抽出もスピーディ。淹れ終わった後のお手入れも、専用ホルダーをささっと洗うだけなので、手間がかかりません。独自発想で熱々の本格ドリップコーヒーを実現した、使う人に優しいコーヒーメーカーです。
おすすめポイント
☑カフェ機能内蔵の天然水のウォーターサーバー
☑コーヒー粉とカプセル式の併用
☑熱々のコーヒーを素早く1杯ずつ抽出
☑温水、冷水、緑茶や紅茶も楽しめます
☑お手入れは専用ホルダーを洗うだけで超簡単
カフェバッハの田口護さんが監修したコーヒーメーカー。粒度が均一な臼式のミル付き。挽き具合を粗・中・細の3段階に調整できます。紙フィルター専用で、90℃と83℃の2つの湯温を選べるので、好みの味わいに。6つの穴から湯を注ぐシャワードリップという独自技術で、7分近くかけてじっくり抽出。サーバーはガラス製で、20分間は淹れたての温度をキープする保温機能が付いています。
おすすめポイント
☑有名カフェのマスターが監修
☑紙フィルター専用
☑挽き具合を3段階調整可能なミル付き
☑90℃と83℃の選べる湯温
☑ガラス製サーバーで保温機能付き
粗挽きと中粗挽きの付け替えフィルターで好みの味を選べるミル付き。紙フィルター専用で、マイルドコース、リッチコースのほかに、デカフェコースも選べます。抽出する際に少量の湯で蒸らし、湯温と出方を制御しながら、6〜7分かけてスロー抽出。雑味の少ないクリアな味わいに仕上げます。ガラス製のサーバーは、2時間後まで温度コントロールする煮詰まり軽減機能付き。
おすすめポイント
☑紙フィルター専用
☑粗挽きと中粗挽きが選べるミル付き
☑マイルド、リッチ、デカフェの3つの味
☑蒸らし機能付きでじっくりスロー抽出
☑ガラス製サーバーで煮詰まり軽減機能付き
ドリップ式のコーヒーメーカーは各社様々な機能があり、抽出までのすべての工程を安定して行えるよう自動コントロールして、ハンドドリップの理想の味に近づけています。使ってみないと分からない点も多々ありますが、濃い目、あっさり目、苦味と酸味のバランスなど、自分の好みを知っておくと、コーヒーメーカーを選ぶ時に判断しやすくなります。
また、選び方のポイントに挙げた機能がついていなくても、スラット+カフェのように、その機能に代わる、もしくはそれ以上の優れた性能がある独自開発のコーヒーメーカーもあります。むしろ、開発競争が激しい時代だからこそ、他社にはない技術にこだわったコーヒーメーカーの方が優秀といえるのかもしれませんね。
ドリップ式コーヒーメーカーは多機能だからこそ、何を重視するかはあなた次第。どこで誰と使うか、どんな暮らしぶりか、ライフスタイルも考慮しながら、人気ランキングを参考に自分に合うコーヒーメーカーを選びましょう。